【読書感想文】 室井佑月/ああ~ん、あんあん 【2004年刊行】
【概要】
言わずと知れた室井佑月氏のエッセイ集。
【あらすじ】 (裏表紙引用)
恋愛したし、結婚したし、子どもも産んだし……慌ただしく実現された、女の夢。お次はなんじゃい!? 「愛こそ、すべて」の信念で突っ走る新・恋愛教祖の本音爆裂エッセイ。
【感想】
初室井佑月本でした。
三十歳の室井佑月氏と二十歳年上のダーリンこと高橋源一郎氏との結婚生活を描いたエッセイ。
まあ正直なところそんなに面白くはない。たまにいい回がある程度で、あとは室井氏の惚気や友人とのこと、飲みについて。
結婚して妊娠した頃から安定して面白くなっていく。
室井氏と高橋氏の夫婦漫才のようなやりとりは読んでいて微笑ましいし、自由に人生を楽しんでいる室井氏の姿は読んでいてとても元気をもらえるし、高橋氏の異常なほどの優しさにはとても驚かされる。
そして、文庫本あとがきで驚愕する。ここまでのすべてのエッセイが壮大な前フリだったということに気づく。無数に散りばめられていた伏線が一気にここで回収される。
これはエッセイではない。一大スペクタクルの長編小説だ。ミステリだ。私小説だ。
正直いって途中何度も挫折しかけた。もう読むのやめようかなと何度も思った。だからあえて最後を述べておくことにした。
さすがに前フリが長すぎる。もう少しコンパクトに整理されていれば傑作になっただろうに。