読書感想ブログ

感想文をバシバシガシガシ書きます。

【読書感想文】 江戸川乱歩/明智小五郎事件簿 1 【2016年刊行】

【概要】

 言わずと知れた江戸川乱歩氏の明智小五郎の事件だけを抜き出して、時系列にまとめたもの。


【感想】

 恥ずかしながらこの歳になるまで江戸川乱歩氏の小説は未読でした。D坂の殺人事件を読み勧めると、あまりの面白さと文章の読みやすさで読むのが止まらなくなって困りました。

 倒叙スタイルの短篇が特によかったです。古臭さもなくて、ただただ感動しました。

 D坂の殺人事件
 明智小五郎、最初の事件。これはさすがに途中で気づいた。おそらくそういうことだろうな、と。

 幽霊
 幽霊に追われて精神衰弱になってしまったおじさんを助ける。おーなるほど! と思った。

 黒手組
 黒手組というギャングに娘が攫われたので身代金払ったのに、娘が帰ってこないと。そういうトリックだったのねぇ。

 心理試験
 連想ゲームをクリアすれば無罪。単語に対して犯人しか知りえないものを連想すると疑われる。手に汗握る戦いだった。これは今の時代でも十分通用する。

 屋根裏の散歩者
 犯罪の真似事をして遊んでいたが、それに飽きてしまい屋根裏を散歩するようになった。床に穴が空いており、その穴の真下にいけ好かない奴の大きく開いた口があると。
 事件を起こすまでの完成度がとんでもなく高い。ただただ頁をめくっていた。でも、オチがちょっとねぇ。

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【読書感想文】 中場利一/岸和田のカオルちゃん 【2010年刊行】

【概要】

 言わずと知れた中場利一氏の自伝的小説の四冊目。


【感想】

 タイトルにもあるように、今回はカオルちゃんがメイン。しかも短編集。
 カオルちゃんの半端のないめちゃくちゃさと、漫才の掛け合いのようなテンポのよい文章で一気に読んでしまった。

 作者自身であるチュンバを美化せず情けないところも書いているのがよい。これは私小説だ。


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【読書感想文】 爆笑問題/爆笑問題の「文学のススメ」 【2006年刊行】

【概要】

 爆笑問題の、言わずと知れた人気番組の書籍化。


【感想】

 あれからもう十年になるのか。毎週楽しみで番組を観ていたなぁ。中島らも氏が出ていた回をよく覚えている。

 まるで漫才のような掛け合いでとても笑わせてもらった。


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【読書感想文】 東野圭吾/ガリレオの苦悩 【2011年刊行】

【概要】Wikipedia引用)

 東野圭吾推理小説ガリレオシリーズ第4弾。2008年10月24日に『聖女の救済』と同時刊行した推理短編小説集。2011年10月10日には文春文庫より文庫版が発売された。


【感想】

 前作の容疑者Xの献身であまり協力的ではなくなった湯川をどうにかして物語に引っ張り出してこようという努力が見られる。草薙経由では難しくなったので、その部下である内海薫を出してきたり、湯川の恩師の家でパーティーさせたり、湯川の友人のペンションに呼んでみたり、犯人が湯川に挑戦状を叩きつけたり。

 内海薫が出てきたので草薙の出番が少なくなったのは残念だが、内海薫のキャラクターもとてもよいのでまあ仕方ないか。

 最初の頃より人間を描くようになったなあと思った。トリック自体もわかりやすいものになっている。あと湯川は科学者として興味が出たら関係なく事件に関わっていくような性格だったが、やはり人間臭くなっている。

 と、まあマイナス・ポイントばかり挙げたが、時間を忘れて一日で読んでしまった。長い病院の待ち時間にひたすら読んでいた。積ん読棚に置いてある次の聖女の救済を早く読みたいな。


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【読書感想文】 さくらももこ/さるのこしかけ 【2002年刊行】

【概要】

 言わずと知れたさくらももこ氏のエッセイ第二弾。


【感想】

 前巻に引き続き、とても面白かった。最後の「実家に帰る」は読んでいてとても切なくて寂しくなった。インド旅行記も楽しかった。

 が、最後の対談はどうでもいい。


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【読書感想文】 さくらももこ/もものかんづめ 【2001年刊行】

【概要】

 言わずと知れたさくらももこ氏のエッセイ第一弾。


【感想】

 百円でなんとなく買っただけなので期待はしていなかった。そういえば保育園から中学二年まで毎日遊んでいたH君の部屋にさくらももこ氏の本がずらっと並んでいたな、というのを思い出した。海外に美容を習いにいったとかで、今は地元で美容院の店長をやっているとかいないとか。中学以降会っていないので、また聞き。

 しかしこれが意外や意外、とっても面白かった。笑えた。ライトなエッセイなので一日で読めるし、結構おすすめ。さっき本屋で二冊目のエッセイを買ってきたのでこれから読みます。


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【読書感想文】 中場利一/岸和田少年愚連隊 望郷篇 【2010年刊行】

【概要】

 言わずと知れた、中場利一氏の岸和田少年愚連隊シリーズ三作目。


【感想】

 望郷篇とあるように、チュンバの小学生時代を描いた長編。まるで漫才の掛け合いのように会話が進み、あれよあれよ止まらない止まらない、二日で読んでしまった。

 六年前に読んでいたので微妙に展開は覚えていたが、それでも楽しく読めた。東京タワー先生がなんだかとってもエロく感じるのはなぜだろう。背が高くて勝ち気で下町言葉を遣う女教師。

 チュンバと鈴野の淡い恋、小鉄マー坊ガスの悪友と喧嘩し、叔父が作った野球チームで宿敵の定と戦い、小鉄のオバァのお話と、これでもかというほど内容が詰まっている。

 喧嘩三昧の不良な小説だが、おセンチな気持ちになるのよねぇ。さー早く次が読みたいね。


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