読書感想ブログ

感想文をバシバシガシガシ書きます。

【海外ドラマ感想】 GOTHAM/ゴッサム シーズン3

第一話 狂気の街
 やっとNetflixで配信された。うーんなんだか面倒くさくなってきたなあ。いろいろと。

第二話 怪物狩り
 ブルースの瓜二つにたくさんの怪物。まだまだ終わりそうにないですなあ。

第三話 催眠術師
 催眠術師、最強じゃないか。血液感染とは? アイヴィーは? もうひとりのブルースは?

第四話 復讐の狼煙
 偽ブルースと本物ブルース。

第五話 レッドフード再び
 ブルースとセリーナ、ジムと記者、ペンギン市長とニグマ。面白くなってきましたね。

第六話 白ウサギ
 なんだか映画ソウのようなダークナイトのような。バレリーかリー、どちらかしか助けることができない。

第七話 赤の女王
 いろいろと、解決。本部長の件はいつ解決するのか。そしてラストはあの指輪が。

第八話 ウイルスの囁き
 アリスのウイルスでバーンズが完璧にイカれてしまった。リーを巡る二人とニグマを巡る二人。

第九話 処刑人
 あの規律に厳しいバーンズが、犯罪者を私刑しまくる。ジムとの追いかけっこはハラハラさせられた。

第十話 破滅の足音
 アイビーとマリオが阿呆すぎて観るのがつらい。

第十一話 怪物の覚醒
 もうキツイ。ジムとリーとマリオの話、どうでもいい。つまらなすぎる。キツイ。

第十二話 過去の亡霊

【読書感想文】 鴻池留衣/ナイス・エイジ 【2018年刊行】

【概要】(新潮社HP引用)

 未来人がオフ会に降臨!? 興味本位で参加したAV嬢の絵里は自分の孫と名乗る青年と知り合い同棲。その日常はネット民の際限なき好奇心の餌食となってゆく……。
 自分が信じるものだけが真実となる時代の炎上騒ぎをクールに描いた話題作と、啓蒙欲と性欲をこじらせた男子中学生が暴走する新潮新人賞受賞作「二人組み」を収録。


【感想】

 表題作であるナイス・エイジは、ハセカラ騒動や掲示板での未来予知など、実際にあったことを元に書かれている。ネットに詳しくない読者のためにスラングのたびに注釈が当てられているのはわかりやすくてとてもいい。

 が、ナイス・エイジも第48回新潮新人賞を受賞した二人組みも、どうでもいいつまらない退屈な文章が続き、展開がとんでもなく遅く感じた。ナイス・エイジでは炎上したのが71頁で、それまではずっと絵里の部屋に居候する未来人2112が絵里の質問に答えたり、それを絵里が掲示板にアップしたり、タイム・トラヴェルとは云々タイム・マシンとは云々タイム・パラドックスとは云々2112年におけるタイム・マシンは云々。

 退屈だなあ。

 そしてようやく炎上するものの、そんなに面白くはない。だってこれを元にしたハセカラ騒動のほうがもっと面白いし、悲惨だし、不条理だし。

 でもまあ絵里と2112のキャラがよかったから最後まで読めたな。落ちは酷すぎで、ここまで読んできた読者を馬鹿にしてるって感じだったね。


 二人組みに関しても同じ。延々どうでもいいことが述べられて全然物語が進まなくて、さすがにもう付き合いきれないので飛ばし飛ばし読んだ。落ちは酷すぎで、ここまで読んできた読者を馬鹿にしてるって感じだったね。


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【読書感想文】 東野圭吾/容疑者Xの献身 【2008年刊行】【第134回直木三十五賞受賞作】

【概要】

 言わずと知れた直木賞受賞作でガリレオ・シリーズ第三弾の長編ミステリ。福山雅治氏と柴咲コウ氏の実写版も大ヒットしたようだ。


【あらすじ】Wikipedia引用)

 花岡靖子は娘・美里とアパートで二人で暮らしていた。そのアパートへ靖子の元夫、富樫慎二が彼女の居所を突き止め訪ねてきた。どこに引っ越しても疫病神のように現れ、暴力を振るう富樫を靖子と美里は大喧嘩の末、殺してしまう。今後の成り行きを想像し呆然とする母子に救いの手を差し伸べたのは、隣人の天才数学者・石神だった。彼は自らの論理的思考によって二人に指示を出す。

 そして3月11日、旧江戸川で死体が発見される。警察は遺体を富樫と断定し、花岡母子のアリバイを聞いて目をつけるが、捜査が進むにつれ、あと1歩といったところでことごとくズレが生ずることに気づく。困り果てた草薙刑事は、友人の天才物理学者、湯川に相談を持ちかける。

 すると、驚いたことに石神と湯川は大学時代の友人だった。湯川は当初傍観を通していたが、やがて石神が犯行に絡んでいることを知り、独自に解明に乗り出していく。


【感想】

 まず、読み終えて、いい人間ドラマを読んだなと思った。正直もうラストへ向けての流れが悲痛で、久しぶりに小説を読んで涙が出た。ミステリなのであまり詳しく言えないのがもどかしいが、過ぎた献身をされたほうのつらさといいますかな、うーん。

 自身が天才だと認める昔の友人を疑って徐々に追い詰めていく湯川、逮捕から逃れられたものの一生石神に気を使い続けなければならない靖子と美里、そしてあえて述べないが草薙と石神、とても人間臭い。だからドラマが生きてくる。靖子に真剣にアプローチするなにも知らない工藤なんかもいい味を出していてとてもいい。

 湯川のつらさと石神の決意を楽しむ作品かなと思いました。実写版の靖子は松雪泰子氏が演じているのね。アパートの隣に松雪泰子氏が住んでいると考えたら、なんだか興奮してきました。

 が、しかし。

 これまでとは異なり、読者に隠されたことがある点には苦言を呈しておこう。

 あと、読み終わって冷静になってみれば、無理矢理ラストを感動に持っていった感があって、なーんかそこだけスッキリしないわね。

 まあでもそれでも面白かったことは間違いない。通勤のバス、休憩時間、昼休み、病院の待ち時間、帰宅してから寝るまでの間ずっと読んでいた。エンターテイメントとしての完成度はとんでもない。びっくりしました。


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【読書感想文】 北尾トロ/裁判長! これで執行猶予は甘くないすか 【2009年刊行】

【概要】 (Wikipedia引用)

 殺人・強盗・覚醒剤など、法廷内ではさまざまな人間模様が繰り広げられる。実際に著者が東京地裁で傍聴した裁判の中から、印象深かったものをピックアップしたエッセイが鉄人社の雑誌『裏モノJAPAN』で連載された。それらをまとめた単行本が2003年に書籍化された。2007年には、続編となる『裁判長!これで執行猶予は甘くないすか』が出版された。


【感想】

 前作は絶賛する感想文を書いたように記憶しているが、今作はちとマイナス・ポイントを述べようと思う。

 僕が評価していたのは、小さい事件に潜んでいる大きなドラマを自分の足を使って調べ上げそれをまとめている、という点。それに関しては今作もとてもよくできていると思う。

 しかし、だ。

 ちと作者の思想が全面に出すぎじゃないかと思う。あとはまぁ、この野次馬根性的なところばかりが描かれていて食傷気味。強姦事件で傍聴人が作者だけだったり、そりゃ傍聴は権利だから責められる謂れはまったくないが。まったくないが、そういうところがとても気持ちが悪い。それを「権利だ」と主張しているところもなんだかキツイところがあるね。

 あとはまあ個人的に、第20章 悪魔がささやく(230頁)は最初から最後までひたすら最低だ。引用してみよう。

「あなたの体の中に盗聴器があることに気づいたのはいつ頃ですか?」
 きたきたきたー! 傍聴歴4年目にして初の、本格的な〈電波系〉。この被告人は体内に盗聴器が仕掛けられているという妄想に取り憑かれているらしい。変わった事件を探しているぼくにとってはずばりド真ん中。フルスイングの勢いで傍聴させてもらいましょう。

 これ、すさまじく最低だよね。前述した強姦も最低だったが、個人的にこの章には怒りを覚えた。

 傍聴は権利、傍聴は面白い、裁判に興味を持ってもらえたら、と綺麗事を抜かしているが、下品で下世話な野次馬根性が全面に出すぎていて褒められたもんじゃあない。しかし、自分の足を使って調べ上げそれをまとめているという点はただただ賞賛でしかない。あくまでもノンフィクションなんだから、もうちょっと作者が文字の奥に隠れてくれてたらよかったのになぁ。


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【読書感想文】 中村文則/迷宮 【2015年刊行】

【概要】

 さて、今をときめく中村文則氏の迷宮。

 あらすじ(Google Books引用)
 密室状態の家で両親と兄が殺され、小学生だった彼女だけが生き残ったその事件は「僕」が12歳の時に起きた。「僕」は事件のことを調べてゆく。「折鶴事件」と呼ばれる事件の現場の写真を見る。そして...。巧みな謎解きを組み込み、エンタテインメントをのみ込む、渾身の長編。


【感想】

 中村文則氏の小説はこれまでいくつか読んだが、一つのテーマに別の様々な角度から真面目にぶつかって真面目に悩んで真面目に書いているな、という印象。
 罪と罰ラスコーリニコフみたいな主人公がウンヌンカンヌンと考えに考え、悩みに悩んでいるから、当然お話は暗い。「暗さこそが文学である」と思っている人にはとてもグッドな本だと思う。

 折鶴事件の不気味さ、相変わらずよくわからない行動をとる主人公、闇を抱えたヒロイン、そして読みやすく頭に入ってきやすい文章で、グイグイグイグイ読ませる読ませる。面白い面白い。

 これってあれだよね、ミステリだよね。落ちは「う、うん」という感じだったけれど、まあ予測不能な落ちを期待しているわけではないのでマイナスではない。

 ここまでなら満点のはなまる、「大変よくできました!」をあげるところなんだが、が、が、が。

 全部解明した落ちの後に、延々主人公がクッソどうでもいいことぶつくさぶつくさ言ってるの、ただただ読むのがだるかったんですけれども!!!

 あとは「銃」とか「去年の冬」とか積んでるから、いつか崩そうっと。


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【読書感想文】 村上春樹/辺境・近境 【2000年刊行】

【概要】Wikipedia引用)

 1990年8月から1997年5月の間に巡った7つの旅(下記)について綴られている。旅ごとに題が付けられ、冒頭では執筆の背景が簡潔に述べられている。

イースト・ハンプトン 作家たちの静かな聖地
 1991年秋、ニューヨーク州ロングアイランドにあるイースト・ハンプトンを訪れた際の紀行。

無人島・からす島の秘密
 1990年8月、新潮社の雑誌『Mother Nature's』に掲載するために山口県無人島を訪れた際の紀行。

メキシコ大旅行
 1992年7月、『Mother Nature's』に掲載するためにメキシコを約1ヶ月巡った際の旅行記。そのうちの10日間ばかりはアルフレッド・バーンバウムと共に旅をした。

讃岐・超ディープうどん紀行
 1990年10月、文化出版局の雑誌『ハイファッション』に掲載するために香川県を訪れた際の主に讃岐うどんに関する紀行。安西水丸と行程を共にしており、作中には安西の挿絵が入っている。

ノモンハンの鉄の墓場
 『ねじまき鳥クロニクル』第1部、第2部を刊行し、作中でノモンハン事件を取り上げた事で、文藝春秋の雑誌『マルコポーロ』に声を掛けられ、1994年6月に中国及びモンゴルを訪れた際の紀行。

アメリカ大陸を横断しよう
 1995年6月、新潮社の雑誌『SINRA』に掲載するため、アメリカ合衆国東海岸にあるボストンから車で西海岸にあるロサンゼルスまで、一部カナダを経由し、2週間以上をかけて巡った際の紀行。

 神戸まで歩く
 唯一雑誌に未掲載の文章。1997年5月に村上春樹の郷里である西宮から神戸の三宮までを2日間に渡って歩いて巡った際の紀行。


【感想】

 やっぱり紀行文は面白いね。村上春樹氏はあとがきで「今では海外旅行に行くというのはそんなに特別なことではありません」と書いてあるが、住んでいる区から出たくない・そもそも金がない・そして時間もない・知らない場所に行きたくない僕みたいな人間からすれば、とても興味深くてわくわくしてはらはらドキドキして本当に楽しい。

 特に僕が気に入ったのは、メキシコ大旅行・うどん紀行・神戸まで歩くの三編。メキシコ大旅行は辺境も辺境、死がリアリティを持っている危険な場所を歩く。かと思えばうどん紀行では本場香川県でのほほんとうどんをすすり、震災から二年後の兵庫県を歩き思ったことを述べる。

 とてもヴァラエティに富んでいて、どれもこれも飽きさせない。シリアス一辺倒というわけではなく、笑えるものも多い。無人島で夜になって大量の虫に襲われるところは、笑いながらも虫の気持ち悪さに背筋がぞぞぞぞっとした。


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【読書感想文】 田中慎弥/切れた鎖 【2010年刊行】

【概要】

 共喰いで第146回(平成23年/2011年下半期)芥川賞を受賞した、言わずと知れた作家の二つ目の作品集。これ自体も第21回三島由紀夫賞を受賞しており、収録作である蛹では第34回川端康成文学賞を受賞している。


【感想】

 噂には聞いておりましたが、なんでか今まで一つも読まなかった作家。まあ薄いし、失敗しても痛くないなというわけで読み始めた。

 「蛹」は読み始めてすぐに興味がないと判断し読まなかった。しかし読書メーター等々で感想を見ると、蛹が高評価だった。まあ川端康成文学賞を獲ってるし。でも僕からすれば、「昆虫を延々描写されてもなあ」というわけで。

 「不意の償い」は、途中から妄想の世界にぐんぐん入っていって、あ、こういうの書く人なんだなと思った。

 しかし、表題作の「切れた鎖」にはやられてしまった。うわああああっと持っていかれた。思いの外衝撃の度合いが強くて、より衝撃を受けたくて貪るように読んだ。

 で、読み終えて部屋でぼんやりしながら飯食ってさあ感想を書くかと頁を開いたわけだが、いったいなににうわああああっと持っていかれたのか、いったいなにの衝撃の度合いが強かったのかさっぱりわからない。いや別に大したことなかったよなと思うわけだが、いやあ読んでいる最中はなんだか凄かったんですよね、という感じで自分でもよくわからない。

 でもまあなにかを感じたんだろうね。よくわからんけどさ。

 代々続いてきたということは代々守ってきたというわけで、自分を含めた様々なものを犠牲にして。そのあたりじゃあ当然名も知れていて、一目置かれていて。でもそういうのもいつかは全部無になっちゃうんだなあ。

 「しっ、しっ」


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