【読書感想文】 村上春樹/騎士団長殺し 第2部 遷ろうメタファー編 【2017年刊行】
【概要】
言わずと知れた村上春樹氏の七年ぶりの長編小説。
【内容紹介】 (新潮社HP引用)
その年の五月から翌年の初めにかけて、私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。
夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降ったが、谷の外側はだいたい晴れていた……。
それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕(あらわ)れるまでは。
【感想】
おいおいおいおい、どうした村上春樹!?
こんな爽やかでハッピーな最期っていったいどうしたんだ?
主人公が云々考えているときは退屈だが、免色が出てくるとアクセル踏みっぱなしでとてもおもしろい。
秋川まりえはねじまき鳥クロニクルの笠原メイほどの魅力はないなあと思いながら読んでいたが、終盤の展開で自分の中でとても可愛くなった。
読んでいる間にいろいろと思ったことはあったんだが、時間をかけてのんびり読んでいるとほとんど忘れてしまった。三箇所ほど読むに耐えなくてスキップした部分はあったが、まあ基本はいつもの春樹さん。
ユズに関しては、ジュリーのカサブランカ・ダンディばりにひとつふたつ張り倒せよと思っていたが、まあこういう決着でよかったのかなと。
氏の小説では初めての試みとなるイベントがいくつかあったが、そこには驚かされた。まあいろいろと心境の変化があったんだろうな。
なんだかんだと言っても、結局のところとてもおもしろかった。ほとんどのことについてきっちりと決着をつけた上で終わらせているし。文句は上述した読むに耐えなくてスキップした部分をどうにかしてほしかった。
まあそれの意図するところは理解はできるが、それでもつらかった。