読書感想ブログ

感想文をバシバシガシガシ書きます。

【読書感想文】 高橋源一郎/ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた 【2017年刊行】

 とても幸せな気持ちになれました。子どもたちが「くに」を作ろうとし、おとなたちがそれを支える。ファンタジーだけれど現実味もあり、よかったです。

 終わり。


 でいいと思うんだけれど、まぁもう少し書いてみようか。その前にまずこれを読んでほしい。ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めたの連載第一回目の読書感想文。

 
retsudansensei.hatenablog.com


 これを読み返すと、僕は当時、高橋源一郎氏の「政治的な発言・信条」がとても嫌いだったようだ。そんなもの小説に出さなくていいから、面白いものを書いてくれ、と。その思いが変化したのは、「ぼくらの民主主義なんだぜ」を読んでから。
 こんなこと述べるまでもないけれど、好きな◯◯だからなにもかも受け入れる、というのはおかしな話で。高橋源一郎氏の小説や書評は大好きだが、政治的な発言・信条は嫌いだと考えていた。どう変わったかは、ぼくらの民主主義なんだぜの感想文を読んでいただくとして……。


 この一冊はもしかすると、高橋源一郎の集大成なのかもしれないと思った。少年たちがメイン・キャラクターで、そんな少年たちに理解のある大人ばかりが出てきて、ジャパニーズ・ヒップ・ホップやテレビ・ゲーム、幼児向けの漫画、そしてツイッターなどの高橋源一郎的カルチャーが出てきて、氏の政治的な発言・信条もあり、なにより優しい。

 だから、とても幸せな気持ちになれた。みながみなこうだったら平和な世の中になるのになぁ。


 ぜひ、子どもに読んでもらいたい一冊である。


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