読書感想ブログ

感想文をバシバシガシガシ書きます。

【読書感想】 高橋源一郎/非常時のことば

 何なんだろうな、これは。どういったジャンルに分類されるんだろう。良く分からない。そして、感想も思い浮かばない。良く分からない。

 高橋が様々な文章を引用し、それについて、ああだのこうだの述べる。ただそれだけ。特別面白くも無いし、詰まらなくも無い。そして、引用された文章も、特別面白くも無いし、詰まらなくも無い。

「あ、そうなんだ。ふうん」という思いを抱きながら、「あっそう、へぇ」と無表情でもって呟き、「いや、結局、どうでもええやん!」で終わる。

 確かに三月十一日の大震災は、凄かったんだろう、大変だったんだろう、沢山の人が亡くなって、原発がどうのこうのなって、住めなくなって、反原発派と原発推進派の争いが起こったり、起こらなかったり、サザン・オールスターズのTSUNAMIが放送禁止になったり、ならなかったり、いや、あのぅ、僕は、その大震災の時、確か、兵庫県の実家にいたんで、テレビのニュースを観ながら「大変だなぁ」だとか「キツイなぁ」だとか「津波怖いなぁ」だとか「原発大変だなぁ」と思っただけで、今は東京に住んでいて、定期的に起こる小さな地震にも慣れて、熊本の方で大きな地震があったりだとか、いや、まぁ、結局、どうでもいい。

 どうでもいい、というのは冷たい。非人間だ。でも結局は、当事者じゃないんだから、何も分からないよ。それにさ、僕は、小学二年生の時に、阪神淡路大震災を被災したんだけれど、正直、覚えていないし。

 何が言いたいかって、そういった参事で小遣いを稼ぐなよ。当事者でないと、大変さだとか悲惨さってのは、本当の芯の部分は理解できないんだから、関係無い奴が出しゃばんなよ。
 いや、まあね、そういった、参事で小遣いを稼ぎますけれど、売り上げは寄付します、とかならまだ理解出来るよ。そんなのしないんだったら、はなっからやるなよ。死人商売じゃねえか。

 こういうの、大嫌い。というか、結局様々な文章を引用して、ああだのこうだの述べているけれど、読み終わったところで、「結局このオッサンは何が言いたいんだ?」となった。

 僕は高橋源一郎の大ファンだが、この文庫本を買うならば、すき家で牛丼豚汁おしんこセットを食べた方が、人生が百億倍豊かになるという事を、自信をもって言いたいと思います。それか、普段なら発泡酒で我慢しているところを、プレミアム・モルツだったり麒麟だったり、アサヒ・スーパー・ドライだったりを呑んで、眠った方が、満足するし、人生楽しいと思いますよ。本当に。