読書感想ブログ

感想文をバシバシガシガシ書きます。

【映画感想文】【邦画】 クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ 【2017年公開】

【概要】

 言わずと知れたクレヨンしんちゃんの劇場映画25作目。


【あらすじ】Wikipedia引用)

 ある日の夜、野原家にUFOが不時着。UFOの中にいたのは、宇宙から来たという宇宙人のシリリだった。シリリが発した光線を浴びたひろしとみさえは25歳若返り、ひろしは10歳に、みさえは4歳の姿に戻ってしまう。シリリは、生き物を若返らせることは出来るものの、成長させることは出来ないのだという。そして、日本の南の種子島にいるシリリの父親なら、ひろしとみさえを元の姿に戻せるらしい。翌日、シリリはしんのすけのズボンの中に入り、野原一家は日本縦断の旅に出発する。


【感想】

 つまんなかった。

 世代ですからクレヨンしんちゃんは大好きだし、映画も結構観てきた。つまらなかったと感じたのはこれと伝説を呼ぶブリブリ 3分ポッキリ大進撃だけだ。テレビを観る習慣が十年ほどなかったので毎週アニメは観忘れてしまうが、まあそれは勘弁してもらいたい。

 良い点は、野原ひろしの声が藤原啓治氏から森川智之氏に変更になったが、それに終盤まで気づかなかった点。声優はすごいなと思った。が、藤原啓治氏は阿澄佳奈氏とのラジオも聴いていたしダークナイトジョーカーの吹き替えやアイアンマンの吹き替えや奇跡のクソゲーFF15のおじさんなどどの役も好きなので、いつかは復帰して欲しい。

 あとは……ない。あー、宇宙人オタクの家でのホラー展開は、まあ面白かった。

 悪い点は、シリリのキャラクター設定が受け付けない。定番の流れをやりたいのはわかるが、野原一家からシリリに手を差し伸べることはあれど、シリリは助けられてばかりでなにもしない。ただひたすら面倒くさいだけ。正直もう観るのやめてやろうかと思ったが我慢して観た。

 父シリリが出てきてからの流れが凄まじく退屈で、スマート・フォンでショッピング・サイトを閲覧しながら垂れ流していた。これ三十一歳のおっさんでもつまんないんだから、子どもなんてもっとつまんなく感じただろうな。ギャグもないしただクソつまらんことをほざいてて。父親同士の対比なんてものも、つまらなさが勝ってどうでもいい。

 あー、アホ臭い。時間を戻せられるのなら、ネットフリックスでこの映画をクリックする前に戻して欲しい。本当は森達也氏のFAKEを観る予定だったのに。クレヨンしんちゃんで笑おうと思ったのが間違いだった。

 なんのクソの役にも立たない犬の糞以下の映画だった。


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【読書感想文】 アガサ・クリスティー/そして誰もいなくなった 【2010年刊行】

【概要】

 言わずと知れたアガサ・クリスティーの一億部突破の名作ミステリ。


【あらすじ】 (Wikipedia引用)

 イギリス、デヴォン州のインディアン島に、年齢も職業も異なる8人の男女が招かれた。2人の召使が出迎えたが、招待状の差出人でこの島の主でもあるU・N・オーエンは、姿を現さないままだった。やがてその招待状は虚偽のものであることがわかった。不安に包まれた晩餐のさなか、彼らの過去の罪を告発する謎の声が響き渡った。告発された罪は事故とも事件ともつかないものだった。その声は蓄音機からのものとすぐに知れるのだが、その直後に生意気な青年が毒薬により死亡する。

 さらに翌朝には召使の女性が死んでしまう。残された者は、それが童謡「10人のインディアン」を連想させる死に方であること、また10個あったインディアン人形が8個に減っていることに気づく。その上、迎えの船が来なくなったため、残された8人は島から出ることができなくなり、完全な孤立状態となってしまう。


【感想】

 最近ミステリを読むようになって、まあだとしたらアガサ・クリスティーは読んでおいたほうがいいかしらと一番有名なこれを購入した。

 海外の小説は名前が覚えられないとかキリスト教云々とかで一部をのぞいて受け付けなかったので、はっきり言ってまったく期待していなかった。古典だし。

 まず登場人物一覧をスマホで撮影して、それを見ながら読む。なんだか登場人物の紹介が始まったぞ。誰が誰かわからんな。変にテンション高いし。様々な種類の人間が様々な理由でこの孤島に集められたわけか。ふーん。過去の罪を告発だって。おお、威勢のよかったマーストンが毒で死んだ。おお、使用人の妻が死んだ。ほほお、童謡通りに死ぬわけか。誰が犯人なんだ? 疑心暗鬼になる。島をくまなく探索して。うわーまた一人死んだー!

 気づけば読み終えていた。とてもすっきりとした無駄のない文章で、それぞれちゃんとキャラの立った登場人物たちが脳内で動き回り、先の気になる展開で、一気読みですよ。

 アガサ・クリスティーさん、すみませんでした。次はABC殺人事件とかオリエント急行殺人事件とかアクロイド殺しとか買ってきます!


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【読書感想文】 さくらももこ/たいのおかしら 【2003年刊行】

【概要】

 言わずと知れたさくらももこ氏のエッセイ第三弾。


【感想】

 半分ほどドトールで読んでいたのだが、ニヤニヤが止まらなくて困った。細かい言い回しがとても面白いんだよな。

 やっぱり父ヒロシは最高です。


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【読書感想文】 横溝正史/八つ墓村 【1971年刊行】

【概要】

 言わずと知れた横溝正史推理小説金田一耕助シリーズのひとつ。


【あらすじ】 (Wikipedia引用)
 戦国時代(永禄9年=1566年)のとある小村に、尼子氏の家臣だった8人の落武者たちが財宝とともに逃げ延びてくるが、村人たちは毛利氏による捜索が厳しくなるにつれ災いの種になることを恐れ、また財宝と褒賞に目がくらみ、武者たちを皆殺しにしてしまう。武者大将は死に際に「この村を呪ってやる! 末代までも祟ってやる!」と呪詛の言葉を残す。その後、祟りを恐れた村人たちは野ざらしになっていた武者たちの遺体を手厚く葬るとともに、村の守り神とした。これが「八つ墓明神」となり、いつの頃からか村は「八つ墓村[8]」と呼ばれるようになった。

 大正時代、落武者たちを皆殺しにした際の首謀者・田治見庄左衛門の子孫で田治見家の当主・要蔵は、粗暴かつ残虐性を持った男で、妻子がありながら井川鶴子を暴力をもって犯し、自宅の土蔵に閉じ込めて情欲の限りをつくした。そのうち鶴子は辰弥という男児を出産したが、鶴子には昔から深く言い交した亀井陽一という男がおり、要蔵の目を盗んで逢引きをしていた。辰弥は要蔵の子ではなく亀井の子なのだという噂を耳にした要蔵は烈火のごとく怒り、鶴子を虐待するとともに辰弥にも体のあちこちに焼きごてを押し当てたりするなど暴虐の限りをつくした。身の危険を感じた鶴子は、辰弥を連れて姫路市にある親戚の家に身を寄せ、いくら待っても帰ってこない鶴子についに狂気を爆発させた要蔵は、異様な姿で手にした日本刀と猟銃で計32人もの村人たちを次々と殺戮し、山へ消えた。

 20数年後、神戸で再婚して寺田姓となった鶴子の息子・辰弥は、終戦後の翌年復員すると天涯孤独の身となっていた。それから2年近く過ぎたある日、ラジオで彼の行方を探していた諏訪法律事務所を訪ねると、辰弥の身寄りが彼を探しているという。数日後、辰弥の元に「八つ墓村へ帰ってきてはならぬ。おまえが村へ帰ってきたら、26年前の大惨事がふたたび繰り返され八つ墓村は血の海と化すであろう。」との匿名の手紙が届く。その後、法律事務所で彼の身寄りである田治見家の使者で、母方の祖父・井川丑松に引き合わされるが、丑松はその場で血を吐いて死に、何者かが彼のぜんそくのカプセルに毒を混入したことが判明する。その後、辰弥の祖母から依頼を受けた森美也子が辰弥を迎えに現れる。


【感想】

 初横溝正史でした。これまで推理小説やミステリはあえて読まないようにしていたので、まったく予備知識もないし映画やドラマも観たことがなかった。
 かなり前の作品だし、古臭さがあって退屈かもしれないなぁ……と思って読み始めたが、まったくもってそんなことはなかった。

 津山の事件を元に作られた昔の話はとても恐ろしかった。それから殺人事件が起こり、主人公である辰弥の立場はどんどん悪くなり、終盤の暴徒と化した村人に追いかけられるシーンはもう怖くて怖くてスリル満点でハラハラ・ドキドキしてとんでもなく面白かった。
 僕もど田舎出身なので、こういう田舎の村の閉鎖的なところがよくわかる。とにかく排除しようとするんだよね。

 ゴールデン・ウィークの連休なのに家に引きこもってずっと八つ墓村を読んでいた。僕が思うに、読んでいる途中で「あら、もうこんなに読んでたのか」とびっくりしたり読むのや頁をめくるのがわずらわしくなる本に出会った時の幸せったらないよね。
 ラストもすっきりして読後感もよく、エンターテイメントとして申し分ないパーフェクツな出来でした。こんなに素晴らしい小説をこの歳になるまで読まなかったなんて、僕ってなんて阿呆なんでしょう。

 というわけで、金田一耕助シリーズの第二弾を購入しました。


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【読書感想文】 さくらももこ/さくらえび 【2004年刊行】

【概要】

 言わずと知れたさくらももこ氏のエッセイ集。


【感想】

 いや~、笑った笑った。これで三冊エッセイを読んだが、完全に父ヒロシのファンになってしまった。ヒロシのコイとか父ヒロシインタビューとか本当に読んでいて楽しかった。
 かと思いきやデビュー前にサインした店に十六年後に行った話は感動させられるし、うどんだのうに丼だのと腹が減って仕方がなかった。
 本当に面白い。


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【読書感想文】 江戸川乱歩/明智小五郎事件簿 1 【2016年刊行】

【概要】

 言わずと知れた江戸川乱歩氏の明智小五郎の事件だけを抜き出して、時系列にまとめたもの。


【感想】

 恥ずかしながらこの歳になるまで江戸川乱歩氏の小説は未読でした。D坂の殺人事件を読み勧めると、あまりの面白さと文章の読みやすさで読むのが止まらなくなって困りました。

 倒叙スタイルの短篇が特によかったです。古臭さもなくて、ただただ感動しました。

 D坂の殺人事件
 明智小五郎、最初の事件。これはさすがに途中で気づいた。おそらくそういうことだろうな、と。

 幽霊
 幽霊に追われて精神衰弱になってしまったおじさんを助ける。おーなるほど! と思った。

 黒手組
 黒手組というギャングに娘が攫われたので身代金払ったのに、娘が帰ってこないと。そういうトリックだったのねぇ。

 心理試験
 連想ゲームをクリアすれば無罪。単語に対して犯人しか知りえないものを連想すると疑われる。手に汗握る戦いだった。これは今の時代でも十分通用する。

 屋根裏の散歩者
 犯罪の真似事をして遊んでいたが、それに飽きてしまい屋根裏を散歩するようになった。床に穴が空いており、その穴の真下にいけ好かない奴の大きく開いた口があると。
 事件を起こすまでの完成度がとんでもなく高い。ただただ頁をめくっていた。でも、オチがちょっとねぇ。

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【読書感想文】 中場利一/岸和田のカオルちゃん 【2010年刊行】

【概要】

 言わずと知れた中場利一氏の自伝的小説の四冊目。


【感想】

 タイトルにもあるように、今回はカオルちゃんがメイン。しかも短編集。
 カオルちゃんの半端のないめちゃくちゃさと、漫才の掛け合いのようなテンポのよい文章で一気に読んでしまった。

 作者自身であるチュンバを美化せず情けないところも書いているのがよい。これは私小説だ。


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