読書感想ブログ

感想文をバシバシガシガシ書きます。

読書感想文 2019年3月

岩井志麻子/現代百物語 生霊 2019/03/02

 Kindleのセールで購入。相変わらずぞくっとさせる怖い話が99話。
 同作者のあの女を読んだあとなので、あっこれはあの女の話だなとわかるものもいくつかあった。次もその次も購入済なのでゆっくり読む。


西村賢太羅針盤は壊れても 2019/03/02

 新作二篇と再録二篇。新作のみ読む。
 陋劣夜曲、「自分には“人生”なぞ云うのは成立してないも同然」と述べながらもすぐに「若い女の部屋に侵入、乃至闖入してチン入」ってもう頭がおかしい。
 羅針盤は壊れてもはラブ・ロマンス。女の子といちゃいちゃするな!


筒井康隆/不良老人の文学論 2019/03/06

 いやー、読み応え抜群でした。
 亡くなった友人たちへのことば、賞の選評、エッセイ、インタビュー。
 やっぱり筒井氏の文章は素敵だね。


ビートたけしビートたけしのオンナ論 2019/03/08

 氏の本は言いたい放題で読んでいて本当に楽しいね。
 終盤の母親の話は涙が出た。
 氏の母親の話は、母親のことが大好きなんだな、母親も氏のことが大好きなんだなとわかって切なくなるね。


中島らもガダラの豚 2019/03/08

 舞台は東京に。シオリを取り返すべく東京にやってきたバキリと教授一行の戦いの場はテレビ局に。
 呪いで仲間がどんどん死んでいくのはホラー映画、そしてゾンビ映画さながらの終盤は手に汗握る。
 納得の結末。とても素晴らしい読書体験をありがとう、らもさん。


ビートたけし/バカ論 2019/03/10

 バカについて語った本。とても笑わせてもらった。第四章がいいね。


宮部みゆき模倣犯 2019/03/11

 犯人側の視点で一巻のときになにがあったのかを描いている。
 最初こそ、そんなのいいから鞠子の爺さんの話をしてくれよと思ったが、これがまた読み始めたら止まらない。
 弄ばれた被害者が不憫だ。浩美の壊れっぷりも恐ろしい。高井家はどうなるのか?


宮部みゆき模倣犯 2019/03/12

 浩美の嘘に気づいていながら、それでも助けようとした和明の死がとてもあっけない。
 なんの準備もなく犯人二人の前に行ったのも、浩美を信じていたからなのだろう。しかし人格が壊れた浩美はピースの言いなりになり死んでいった。
 樋口めぐみのキャラクターがとてもいい。


申東赫/収容所に生まれた僕は愛を知らない 2019/03/16

 ほとんど休みなく一気に読んだ。収容所のことはなんとなく知っていたが、完全統制区域というものがあることは知らなかった。
 叔父が朝鮮戦争で南に逃げた罪を両親、そしてその子どもが一生をかけて償う。そこでの生活はあまりにも現実離れしていて頭が混乱した。しかしこれが現実なのだ。
 ミシンを落としただけで中指を切断され、母と兄は目の前で公開処刑される。食事はとうもろこしの粉と塩漬けの白菜のみ。トイレのネズミを取って焼いて食べる。
 こんなことが許されていいわけがない。とても腹がたった。読んでいてつらかった。


河出文庫/10代のうちに本当に読んでほしい「この一冊」 2019/03/19

 30代のおっさんだけど、とても面白かった。一気読み。いくつもメモした。


東直己/探偵はバーにいる 2019/03/23

 予想以上に面白くてびっくりした。
 語り口が軽妙でとても読みやすいし主人公である俺のキャラクターもよい。キャラの会話もいきいきとして読んでいて楽しかった。一気読みでした。


高田文彦/「少年A」14歳の肖像 2019/03/24

 子どもの頃に地元で起きた事件だからか、酒鬼薔薇聖斗についての本は何冊か読んだが、まあ書いてあることは同じだな。被害男児知的障害者だとはっきり描いてあるのはこれが初めてだったが。
 まあ絶歌という本を出して、「治療のかいあって普通の人に成長し過去の罪を悔やんで申し訳ないと思っている」像は崩壊したわけだが。


横山秀夫/ルパンの消息 2019/03/28

 15年前の、テストの答案を盗むルパン作戦と女教師自殺事件、そして三億円事件が絡み合って……。
 やはりキャラクターがいきいきとしていると話も面白くなる。結末が気になって、喫茶店から出られなくて困った。
 一気読みでした。感動しました。


高田文夫/誰も書けなかった「笑芸論」 森繁久彌からビートたけしまで 2019/03/10

 高田文夫って先生って呼ばれてるけどなにやった人なの? ビートたけしのANNの作家ぐらいしか知らなかったので、まあちょうどいいわと読んでみた。
 面白いなぁ。第一章は笑いの歴史、当然僕はまったく知らない。そして第二章はたけしのANN。これをリアル・タイムで聴きたかった。
 思い出したまま書いてるからとっちらかってると述べているが、喋っているのをそのまま聞いてるようで心地良い。勉強になりました。


以下、途中で読むの止めたもの

高橋源一郎/動物記
 動物の謝肉祭がそりゃあまあひどい。短編集だからと次の家庭の事情を読んだけど、これもまたひどい。なので僕は読むのをやめた。どうしちゃったの源ちゃん。
 と思ったけど最後の動物記を読んでみた。気持ちが沈んだ。

爆笑問題爆笑問題の日本史原論 偉人編
さくらももこ/びとりずもう
 これはつまらない。

西村賢太/一私小説書きの日乗 野性の章
 いつものことだけど、読み始めたら面白いけど半分過ぎたところで飽きてやめる。

村上春樹シドニー
 最初は面白かったけど、中盤からどうでもよくなっちゃった。頑張って読んだけど次巻はいいや。

法帖遙/リライト
 21頁で挫折。読者を馬鹿にしてる。あらすじを並べただけだろ。どこが小説なんだ。ふざけんな。
 「紆余曲折の末」とか天才の男が作った薬を飲んで行きたい時代を思い浮かべただけでタイム・スリップできるんだとか頭おかしいんじゃねえか。小学生が考えた本なのかね。

朝吹真理子/きことわ
 つまらない。こんなものに時間を使う必要はない。

松尾スズキ/同姓同名小説
 つまらない。こんなものに時間を使う必要はない。

チャールズ・ブコウスキー/死をポケットに入れて
 ブコウスキーの小説は好きだが、これは別に。

森博嗣すべてがFになる
 10分の1まで読んだが何も始まらない。
 天才がどうとかヘリコプターとかコンピューターウイルスがどうとか、まったく興味ないっす。
 キャラ同士の講義なんて読みたくない。面白い小説が読みたい。

森達也/オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ
 100頁ほど読んでもういいや。興味がない。

ティム・オブライエン/本当の戦争の話をしよう
 びっくりするほどつまらない。

白田/府中三億円事件を計画・実行したのは私です。
 えげつないぐらい文章が稚拙で十七頁で閉じた。「恥知らず」の一言。