【読書感想文】 長江俊和/出版禁止 【2014年刊行】
【概要】
言わずと知れた放送禁止シリーズの長江俊和監督のフェイク・ドキュメンタリー小説第一弾。
【内容紹介】 (文庫本裏表紙引用)
著者・長江俊和が手にしたのは、いわくつきの原稿だった。題名は「カミュの刺客」、執筆者はライターの若橋呉成。
内容は、有名なドキュメンタリー作家と心中し、生き残った新藤七緒への独占インタビューだった。
死の匂いが立ちこめる山荘、心中のすべてを記録したビデオ。不倫の果ての悲劇なのか。なぜ女だけが生還したのか。
息を呑む展開、恐るべきどんでん返し。異形の傑作ミステリー。
【感想】
読ませるねぇ。ルポルタージュという設定のカミュの刺客が完全に小説なのはまあ置いておいて、当事者以外の関係者にもインタビューをし、徐々に真実に近づいていく様は読んでいてとてもスリリングで先が気になって仕方がない。
そういう設定を把握した上で読んでいたのだが、若橋と七緒の間にべつの感情が現れ始めたときにはもうそういうのはどうでもよくて、二人はいったいどうなってしまうのかということが気になって気になって、読むのがかったるいぐらい頁をめくり続けていた。
でもなー。終盤の展開、息は呑むけどさぁ、どんでん返し? すごーく強引じゃない? しかもよくわかんなかったから、これから解説読むわ。あと今月出版禁止2出るってね。とりあえず買って読むかな。掲載禁止も気になるね。
追記。性行為のあとのこの二行は上手いなと思った。
思わず、右手を鼻先に寄せる。
指先に七緒の残り香が、かすかに漂っていた