【読書感想文】 奥田英朗/空中ブランコ 【2008年刊行】
【概要】
言わずと知れた奥田英朗氏の第131回直木三十五賞受賞作で伊良部シリーズ第二弾。
【内容紹介】 (文庫本裏表紙引用)
伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。だが色白でデブの担当医・伊良部一郎には妙な性癖が…。
この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒やされる名医か!?
直木賞受賞、絶好調の大人気シリーズ第2弾。
【感想】
相変わらず楽しい。跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、先端恐怖症のやくざ、非常ボタンを押し逃げしたい衝動や、整然としたものを破壊したい衝動に駆られる強迫性障害の精神科医、一塁へまともな送球ができなくなるイップスの状況に陥る野球選手、新作執筆中に以前も書いた内容ではないかと不安になる、心因性嘔吐症の女流作家。
テンプレートは基本的に同じなので、患者の設定と伊良部のキャラクターにハマれば読むのが止まらなくなると思う。患者は大体においてピンチに陥るので、そこが読んでいて面白い。
「おーい、マユミちゃん」が癖になる。