【読書感想文】 東野圭吾/聖女の救済 【2008年刊行】
【概要】
言わずと知れた東野圭吾氏のガリレオ・シリーズ第五弾。長編としては二作目となる。
【あらすじ】(Wikipedia引用)
真柴綾音と真柴義孝夫妻は子供ができないことを理由に離婚することが決まっていた。その時綾音の胸中には義孝へのある宣告が下されていた。
数日後、綾音が主催するパッチワーク教室の講師である若山宏美が自宅で死んでいる義孝を発見する。死因は毒殺。彼が飲んでいたコーヒーに、猛毒である亜ヒ酸が混入されていた。そして捜査に当たった草薙は一目見た綾音に惹かれてしまう。一方薫は些細な事から綾音の犯行ではないかと疑念を抱くが、その考えを巡り草薙と対立してしまう。そして綾音には犯行当日まで北海道の実家に帰省していたアリバイがあり、毒物の混入経路も依然として不明のままだった。
【感想】
遠く離れた場所から綾音が夫を毒殺する方法を薫と湯川は考える。綾音に特別な感情を抱いてしまった草薙は別の方面から捜査を続ける。今回は湯川を自然な流れで捜査に誘い出すことに成功している。そして女の直感を信じ綾音を疑う薫とその綾音に惚れてしまった草薙の対比が読んでいてとても面白い。
さて今日はこの辺にしておこうか、と思って本を閉じようとすると新たな展開が生まれてなかなか読むのをやめられなかった。仕事場に持っていって昼休みや十分休憩にも読んで通勤のバスでも読んで。
草薙の想いが切なくてとてもよかった。薫のキャラクターも前作より生き生きしていた。湯川は言わずもがな。