【読書感想文】 江戸川乱歩/明智小五郎事件簿 1 【2016年刊行】
【概要】
言わずと知れた江戸川乱歩氏の明智小五郎の事件だけを抜き出して、時系列にまとめたもの。
【感想】
恥ずかしながらこの歳になるまで江戸川乱歩氏の小説は未読でした。D坂の殺人事件を読み勧めると、あまりの面白さと文章の読みやすさで読むのが止まらなくなって困りました。
倒叙スタイルの短篇が特によかったです。古臭さもなくて、ただただ感動しました。
D坂の殺人事件
明智小五郎、最初の事件。これはさすがに途中で気づいた。おそらくそういうことだろうな、と。
幽霊
幽霊に追われて精神衰弱になってしまったおじさんを助ける。おーなるほど! と思った。
黒手組
黒手組というギャングに娘が攫われたので身代金払ったのに、娘が帰ってこないと。そういうトリックだったのねぇ。
心理試験
連想ゲームをクリアすれば無罪。単語に対して犯人しか知りえないものを連想すると疑われる。手に汗握る戦いだった。これは今の時代でも十分通用する。
屋根裏の散歩者
犯罪の真似事をして遊んでいたが、それに飽きてしまい屋根裏を散歩するようになった。床に穴が空いており、その穴の真下にいけ好かない奴の大きく開いた口があると。
事件を起こすまでの完成度がとんでもなく高い。ただただ頁をめくっていた。でも、オチがちょっとねぇ。