読書感想ブログ

感想文をバシバシガシガシ書きます。

【読書感想文】 野村進/救急精神病棟 【2003年刊行】

【概要】講談社HP引用)

 日本初、救急の精神病患者を専門に受け入れ治療する千葉県精神科医療センターを3年間にわたり密着取材。
 「精神科救急」と呼ばれる医療の現場をあますところなく精密に活写した。
 24時間態勢で最前線に立つ医師、看護師たちの闘いと苦悩と喜び、新薬の登場、そして精神科医療の大変革を描く渾身のノンフィクション。


【感想】

 前から読みたい読みたいと思っていたので、購入してすぐに読んだ。あまりにも面白くてすぐに読み終えた。

 僕は過去に三度精神病棟に入ったが、その時のことをなんとなく思い出しながら読んでいた。

 この病気にはこういう治療が効果的、というマニュアルもない中医師や看護師が大変な思いをしながら患者と向き合っている姿勢に感動し、それによって寛解する患者がいる中、自殺してしまう患者もいて胸が締め付けられた。

 日本の精神医療は遅れているという話は聞いていたが、なぜそうなったのかが詳しく書かれており、勉強になった。

 しかし、第九章の電気けいれん療法のところだけは納得がいかない。僕は最後の入院の際に電気けいれん療法をやったが、入院前の記憶の一部が頭から消え去った。覚えていないので、人付き合いもしなくなった。記憶がなくなっただけで電気けいれん療法の効果はなかったと言われた。それから二年が経過した今も記憶は戻らない。そんな電気けいれん療法を「副作用もほとんどなく精神疾患の効果的」と書かれている。まあ僕のパターンみたいなのは稀なんだろうが、これを読んで「自分も電気けいれん療法をしてみよう」と思った人が、僕のようにならないことを祈っている。


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