読書感想ブログ

感想文をバシバシガシガシ書きます。

【読書感想文】 鴻池留衣/ナイス・エイジ 【2018年刊行】

【概要】(新潮社HP引用)

 未来人がオフ会に降臨!? 興味本位で参加したAV嬢の絵里は自分の孫と名乗る青年と知り合い同棲。その日常はネット民の際限なき好奇心の餌食となってゆく……。
 自分が信じるものだけが真実となる時代の炎上騒ぎをクールに描いた話題作と、啓蒙欲と性欲をこじらせた男子中学生が暴走する新潮新人賞受賞作「二人組み」を収録。


【感想】

 表題作であるナイス・エイジは、ハセカラ騒動や掲示板での未来予知など、実際にあったことを元に書かれている。ネットに詳しくない読者のためにスラングのたびに注釈が当てられているのはわかりやすくてとてもいい。

 が、ナイス・エイジも第48回新潮新人賞を受賞した二人組みも、どうでもいいつまらない退屈な文章が続き、展開がとんでもなく遅く感じた。ナイス・エイジでは炎上したのが71頁で、それまではずっと絵里の部屋に居候する未来人2112が絵里の質問に答えたり、それを絵里が掲示板にアップしたり、タイム・トラヴェルとは云々タイム・マシンとは云々タイム・パラドックスとは云々2112年におけるタイム・マシンは云々。

 退屈だなあ。

 そしてようやく炎上するものの、そんなに面白くはない。だってこれを元にしたハセカラ騒動のほうがもっと面白いし、悲惨だし、不条理だし。

 でもまあ絵里と2112のキャラがよかったから最後まで読めたな。落ちは酷すぎで、ここまで読んできた読者を馬鹿にしてるって感じだったね。


 二人組みに関しても同じ。延々どうでもいいことが述べられて全然物語が進まなくて、さすがにもう付き合いきれないので飛ばし飛ばし読んだ。落ちは酷すぎで、ここまで読んできた読者を馬鹿にしてるって感じだったね。


f:id:retsudansensei:20180308220604j:plain