読書感想ブログ

感想文をバシバシガシガシ書きます。

【読書感想文】 住野よる/君の膵臓を食べたい 【2017年刊行】

この小説のファンの方は、この感想文を読まないでください。責任は持ちません。以上。


【概要】

 言わずと知れた大ベストセラー。インターネットの投稿サイトから発掘されて書籍化に至ったと。だから文章に関してはまったく期待していなかった。下手くそでも面白ければ、キャラに魅力があれば、もうそれだけでいいと。
 結論といたしましては、面白くもないしキャラに魅力もないという、なかなかに衝撃的な一作だった。読み始めてすぐに、「チッ……ムカつくな」と思った。しかし、せっかく開いたんだから最後まで読みたい。だったらもう、「チッ……ムカつくな」と思ったところに付箋を貼るのを楽しみに読み進めるしかないなと。


【粗筋】(Wikipedia引用)

 「君の膵臓をたべたい」…主人公である「僕」が病院で偶然拾った1冊の「共病文庫」というタイトルの文庫本。

それは「僕」のクラスメイトである山内桜良 (やまうち さくら) が綴っていた、秘密の日記帳であり、彼女の余命が膵臓の病気により、もう長くはないことが記されていた。

「僕」はその本の中身を興味本位で覗いたことにより、身内以外で唯一桜良の病気を知る人物となる。

「山内桜良の死ぬ前にやりたいこと」に付き合うことにより、「僕」、桜良という正反対の性格の2人が、互いに自分の欠けている部分を持っているそれぞれに憧れを持ち、次第に心を通わせていきながら成長していく。そして「僕」は「人を認める人間に、人を愛する人間になること」を決意。桜良は恋人や友人を必要としない僕が初めて関わり合いを持ちたい人に選んでくれたことにより「初めて私自身として必要されている、初めて私が、たった一人の私であると思えた」と感じていく。


【感想】

 この小説をさ、作者はさ、真面目に書いたのかな? ウィキペディアの登場人物紹介見て笑ったんだけど、主人公のところに「友人や恋人などの関わり合いを必要とせず、人間関係を自己完結する。」とか書いてあって。人とのコミュニケーションより読書が好き、コーヒーにはミルクも砂糖も入れずブラックで飲む、常にクールで女の子からのアプローチも軽く受け流し……。

 痛々しい中学生ですか?

 これ、高校生の設定だよね。いやでも待てよ。こういう痛々しい設定が実は後々で生きてくるんだよ。ごめんごめん、早とちりしちゃったよ。こういう痛々しい男が女の子との交流を経て感情を持った人間らしい男へと成長していく……。

 自分で書いておいてなんですが、くっそ寒いですね。

 よーし頑張って読み進めるぞお。痛々しい場所に付箋を貼って、溜飲を下げよう! 中学生レベルの痛々しい思考の魅力皆無の主人公と、理解不能の言動を繰り返す魅力皆無の頭も股も緩い脳みそお花畑のアホ女のクソつまんねえ会話が延々と繰り返されるが、そんなのにいちいち苛々しない。「うわははは」とアホ女は笑うわけだが、こういう文章が下手くそでネタも世界の中心で、愛をさけぶの二億番煎じのネタしか書けない作家って、わけのわからないところで個性を出そうとするよね。世界から猫が消えたならでも指摘したポイントだけれど、ただただ苛々して読む気失せる効力しかないわけだから、そういうのもうやめてほしいね。あとそういうのに限って馬鹿みたいな比喩を多用するよね。でもそういうことでもいちいち苛々しない。ていうか別にセックスしてるわけでもないのに痛々しい馬鹿とアホ女が二人きりでいるところを発見しただけで激怒して痛々しい馬鹿につっかかる自称親友の脳みそクルクルパーとか、アホ女と交流持った途端痛々しい馬鹿の靴やらなんやらを隠し始めるただの記号的なクラスメイトやら、アホ女の元カレで学級委員のイイ奴が痛々しい馬鹿とアホ女の間を裂いてまたアホ女と付き合いたいと思っている外面はいいが内面はクズというよくあるパターンのなんのひねりもない都合のいいキャラクターとか、出てくるやつどいつもこいつも魅力がなくて外見の描写もほとんどないからどんなキャラなのかさっぱりわからんけど、そういうことでもいちいち苛々しない。タイトルもそのまんまだし最後の最後までただひたすらクソつまんない会話が繰り返されるだけで驚きのエンドとかもないし痛々しい男が天真爛漫な女の子との交流を経て人間になっていくみたいな小学生レベルの人間模様も別になにも思わないし結局なんだよ膵臓の病気で死なないのかよ、と思ったけれどいちいち苛々しない。アホ女の家で二人でゲームするわけだが、なんでこの時代にスーパーファミコンなのか、あえてスーパーファミコンという理由もなにもないけれどいちいち苛々しない。

 あー苛々しない。

 全然苛々してないよ。


 ・(キリッ)

 部屋で僕は大抵の時間、本を読んでいる。指南書や自己啓発本は好まず、小説をすすんで読む。(キリッ)(2頁)

 僕は、クラスメイトの他愛無い失敗や、単純な恋模様に興味を持てるほど、退屈な物語しか知らない人間ではなかった。(キリッ)(48頁)

 「ふーん、一番好きな小説家は名前と一緒?
 「違う。一番は、太宰治(キリッ)
 「そんな暗そうなのが好きなんだぁ」
 「確かに小説の雰囲気は思い詰めたような太宰治の精神が文面を通して伝わってくるようだけどね、暗いという言葉では片付けられないよ」
(キリッ)(92頁)

 久しぶりのアルコールは、爽やかな香りと裏腹に甘ったるかった。(キリッ)(126頁)

 


 ・うるせーボケ、喋んなカス

 「どうだろう。いれば楽しかったのかもしれないけど、僕は現実の世界よりも小説の中の方が楽しいって信じてるから」(45頁)
「うるせーボケ、喋んなカス」

 四時間目までの試験を終えて、今回もクラス平均より少し上くらいの点数を上手く取れているだろうという予感を得てから、僕は特に誰とコミュニケーションをとることもなく掃除をし、帰りの準備をした。
「うるせーボケ、喋んなカス」

 彼女がいなくなれば、また元の生活に戻るだけだ。誰とも関わらず、小説の世界に身をひそめる。そんな毎日に、戻る。決して悪いものじゃない。(104頁)
「うるせーボケ、喋んなカス」

 って、僕は誰に言い訳をしているのだろうか。
 そう、言い訳。強硬姿勢をとって彼女とは別行動をする、それが僕にはできたはずだ。彼女も無理には止めなかったろう。しかし、僕は僕の意思でそれをしなかった。理由は? さあ、分からない。
(117頁)
「うるせーボケ、喋んなカス」

 僕が知りたいのは、彼女という人間がどうやってできあがったのかということだ。
(中略)
 理由は、単純に不思議だと思ったから。僕と彼女の二つの人間性の成立、二つの間に一体どんな人生の隔たりがあったのだろうか。
(134頁)
「うるせーボケ、喋んなカス」

 僕は時間を持て余し、カーテンの隙間から外を見た。繁華街はまだ人工的な光に彩られ、眠るつもりなんて毛ほどもなさそうだった。(141頁)
「うるせーボケ、喋んなカス」

 184頁から194頁
 198頁
 215頁
 220頁
まとめて、「うるせーボケ、喋んなカス」


 229頁以降付箋なし。なぜならあまりの退屈さに限界が来て、飛ばし飛ばしで読んだから。最後の行を読んで思ったのは、はーようやくこの苦行から開放された! でした。
 ここまでつまらない小説を書けるのも、一つの才能だなと思いました。どうもありがとうございました。


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