【読書感想文】 池波正太郎/剣客商売一 剣客商売 【2002年刊行】
年寄り向けのラノベといわれる時代小説。再読。が、内容はまったく覚えていなかった。
やっぱり文章とキャラクターが素晴らしい。
より簡潔に簡潔にシンプルに、無駄を省いて読みやすくし、それでいて想像力が膨らむ、文句のつけようがない文章。
数多の修羅場を超えてきた剣客であり孫ほどの女を嫁にしたエロ爺の秋山小兵衛、その息子であり齢二十四にして未だ女性経験のない純朴で弟子一人もいない道場で修行を続ける秋山大治郎、老中・田沼主殿頭の妾女であり男装した女武芸者三冬、そんなメインに負けず劣らずの脇役たち。
さまざまな事件を格好よく解決する。
粋が詰まった一冊だ。
舞台背景や固有名詞を知らなくてもまったく問題なく楽しめる。実際僕はまったくわからないが、とても楽しんで読めた。