【映画感想文】 パトリック・ブライス/クリープ (原題:CREEP) 【Netflix限定配信】
これまたお金が全然かかっていなそうな、POVモキュメンタリー映画。主演と監督はパトリック・ブライス氏。相手役のジョセフ役にマーク・デュプラス氏。お二人ともこの映画で知った。勉強不足で申し訳ない。最初から最後まで、この二人しか出てきません。そこが低予算POVモキュメンタリーの一番の特徴。
これまたストーリーなんてほぼありません。そこが低予算POVモキュメンタリーの一番の特徴。
パトリック・ブライス氏演じる映像作家のアーロンはSNSで高報酬のアルバイトを知り、依頼者であるジョセフ演じるマーク・デュプラス氏の別荘へ行く。
「癌を患っていたが、治療で治った。と思ったら脳腫瘍ができて余命二、三ヶ月と宣告された。これから生まれてくる息子のために、生きた父親の姿を撮影して欲しい」と。
撮影を開始すると、徐々にジョセフの言動がおかしくなっていく……。
僕はPOVモキュメンタリー映画がとても大好きなので、そういう映画を発見したらとりあえず観る。ほとんどの場合、観終えてがっかりする。よかったと思えたものは、日本映画ばかり。もしかすると日本の映画監督のほうがこういうジャンルは得意なんじゃないかなぁ、と思う。次からは観る前にちゃんとレビューを確認してからにしよう、と決める。その後ネットフリックスをぱらぱらと観て、「おっ、POVじゃないか」と思って即時に再生する。最初に戻る。
あのさぁ、アメリカン・ホラーってのは、そこに注目させて、突然「わぁ!」って驚かすパターンばっかりじゃないか。もういいんだよそういうのは。夜観てるとその「わぁ!」だけ大音量になるのでイラッとするし、隣の部屋から苦情が来たらどうしてくれるんだよ。もういいですよ。そのパターンが多すぎて飽き飽きして、もうなにも思わなくなってきました。ただ「チッ」ってなるだけ。
とまぁ、最初から最後まで「わぁ!」だけなんだけれど、そんなに悪くなかった。よくできてるし、丁寧に作られている。血みどろモンスターなわけでもないし、ただただ嫌な気分にされる。それがとてもいい。
観ていて思ったんだけれど、僕の大好きな俳優の一人であるジム・キャリー氏がサイコでマッドなストーカーを演じた傑作映画ケーブル・ガイを思い出した。
結局怖いのは人間なんですね。映画って本当にいいものですね。それではまた次回をお楽しみに、さよなら、さよなら、さよなら。