【読書感想文】 川村元気/世界から猫が消えたなら 【2014年刊行】
昔やり取りのあった女性が勧めてくれたので、アマゾンで購入した。2014年に。積ん読棚から「ライトな感じだろうし、これ読むか」と手にとって読んだ。
一言で言うなら、作者の川村さん、今すぐ僕んち来いや。とりあえずどついたるから。
あかんでほんま。あかんで。ええねんええねん、文章が稚拙でも、なんやどっかで聞いたことのあるネタでも、かまへんかまへん! そんなもんや! 今まで小説書いたことないんやから、しゃーないしゃーない!
ほいでもなぁ、あかんで。読者を馬鹿にしたらあかんで。ほんまに。おどれはなんやねん、こんなもん読まして、感動させよう思たんかい? あ? 別にわしはあれやで、ベストセラーはとりあえず貶しとこかい、みたいなのは一切あらへんで。ほいでもなぁ……
こんなもんで感動するわけあらへんやろが。
一から順に言うたるわ。ええねんええねん、文章なんかそんなもん、酷おてええねん。レビューでも稚拙や稚拙や言われとるわ。
うん。
ほいで訊きたいんやけどなぁ、フーカフーカした猫の感触ってなんやねん。あぁ? ちょおそれ説明して。うん。全然待つよ。うんうん。なんやねん、フーカフーカって。フカフカでええんちゃうんかい? そないすんねやったらなぁ、統一せんかい。全部そないせんかい。おい、なんやこれ。「なんやちょっと、他の小説とはちゃいまんねん」ってか? そんなもんなぁ、やる順番が違うやろがい。まともな文章書いてから、「他とはちゃいまんねん」ってことをせんかい。「読者をちょっとあれや、苛つかせようとしたんや」っていうんやったら成功しとる。大成功や。わしは常に苛々しとったわい。それが出てくるたんびにのお。
まだ訊きたいことはあんねんや。悪魔が出てくるやないけ。主人公に言うやないか、「自分、明日死ぬねん。まあでもあれや、この世界からなんか一個消したら、寿命一日伸ばしたらい」っていう悪魔が。それがなんでこんなに軽いねん。アロハシャツ着てるとか口調が軽すぎるとかな、なんでそんなに軽いねん。
あれやろ自分、「読者を感動させたらい!」言うんやろ。ほなもうちょっとどないかせんかい。
「なんや、ほなあれかい、涙誘いたかったら重々しくせなあかんのかい!」
いやちゃうねんちゃうねん。寒いねん。もうあれや、もう、全部寒いねん!
「ほな、世界から電話消したろかい!」と悪魔が言うわな。
「あれやな! 電話消えたら、電話ばっかりしよった元カノのこと思い出すな!」ってなりよるわな。
「ほな、世界から映画館消したろかい!」と悪魔が言うわな。
「あれやな! 映画館消えたら、最後に観る映画決めなあかんな!」ってなりよるわな。
「ほな、世界から時計消したろかい!」と悪魔が言うわな。
「あれやな! 時計消えたら、時計屋の父親のこと思い出したわい!」ってなりよるわな。
ええやないか。消えたことによって、新たに思い出すわけやな。うん。
あのな。電話消えたやんか。せやのにさ、元カノがさ、「電話の時はよう喋るくせに、実際に会うたら全然喋らんやないけ!」って言うやん。ここようわからんねんな。え? 電話消えたんちゃうんかい。ちょっとようわからんな。うーん?
そこがな、どんだけ考えてもわからんねん。
まあ、なんぼでも出てくるけど、このへんにしといたるわ。ほいであれやな、終盤に向けての、「感動させたろ! 感動させたろ!」が見え見えでなあ、死ぬほど寒いわ。今十一月やからこんなに寒いんやろなあ。あー寒い寒い。
感動もくそもなんにもあらへん。金返せとは言わん。時間を返してくれ!