感想文

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【読書感想文】 村上春樹/走ることについて語るときに僕の語ること 【2010年刊行】

 タイトルのそのまま、村上春樹氏が走ることについて語ったもの。2005年から2006年にかけて、なぜ走るか、どんな練習をしたか、どんな大会に出たか、そしてどう思ったかについて書かれている。

 年齢を重ねるにつれ、以前は難なくクリアできていたタイムをオーバーするようになってしまう。練習をいくらしても、体調にどれだけ気を使っても、老いには勝てないという事実に打ちのめされてしまう。
 というような悲しくて切ない内容から始まる。

 作者も書いている通り、走ることの素晴らしさを語ってランナーを増やしたいというような思いは感じられない。ただ、作者本人が走ることについて語っているだけ。それなのにとても面白い。

 初めてのフル・マラソンの部分や100キロ・マラソンの部分なんて、読む手が止まらなかった。この辛い中走りきれるのか? とハラハラ・ドキドキしながら読んだ。

 包み隠さず正直に全てを述べているから、楽しく読めるのだろう。駄目で情けない部分も存分に出す。いい格好はしない。でもストイック。ありのままの春樹氏が、ありのままの走りを書いた。そしてストイック。ただそれだけ。ただそれだけなのに、本当に面白かった。

 正直なところ、僕も体重が落ちて足の爆弾が解除されたら、定期的に走ってみようと思った。僕自身も春樹氏と同じく、団体でやるより個人でやるほうがのめり込める質だから、近所を黙々と走りたい。