連作集。高橋氏は連作が好きだね。筒井康隆氏も創作の極意と掟の中で、連作が合っていると評価していた。
この作品の前年にはかの問題作恋する原発を書いていたわけで。毎度毎度、小説ごとの作風の変化具合に驚かされる。
うーむしかし、どういう感想を書けばいいのだろう。
抽象的な物語が続くわけなんだけれど、全体的に哀しい空気が漂っていて、とても切ない。でも、それは一体なんなの? と訊かれると、返答に困ってしまう。
なにかを感じられれば入り込んで頁をめくるのももどかしくなるだろう。なにも感じなければ退屈だろう。
まあやっぱりあれだな、子どもを描かせたら天下一品だな。本当に。