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【映画感想文】【邦画】 白石晃士/ある優しき殺人者の記録 【2014年公開】

 ホラー・モキュメンタリーを多く手がける白石晃士監督による日本・韓国の合作映画。
 血みどろ・サイコ・エロチック・サスペンス。


【あらすじ】
 障害者施設を脱走し、十八人もの人間を殺害した容疑がかけられ、指名手配されたパク・サンジュン。彼の幼馴染であるジャーナリストのソヨンは彼から取材依頼を受け、知人のカメラマン・田代と共に、とある廃マンションの一室に呼び出される。マンションに到着したソヨンと田代だが、包丁を手にしたサンジュンに脅され、「これから起こる事」を全て記録するよう命じられる。
 大量殺人を犯したことには理由があった……。


【感想】
 長回し風で撮られたPOVモキュメンタリー映画。常に緊張感があり中だるみすることなく、畳み掛けるように話が展開してゆく。途中でセックス・シーンが入った時は思わず笑ってしまったが、緊迫するサスペンスと暴力が渦巻くアパートの一室で、愛する人のために思いを成し遂げるというテーマが上手く絡み合い、POVの手法もあって物語に没入した。約九十分でまとめられており、中だるみすることなく最期まで一気に楽しむことができた。
 精神疾患患者の単なる妄想から始まる殺人が、本当に神のお告げがあったかもしれないと思わせる展開がとてもおもしろかった。


【よい点】
・手に汗握る展開。
・監督の他の映画と同様に、おかしなポイントがなく練り込まれたストーリーと展開。
・サイコでサスペンスなのに悲しい。

【悪い点】
・監督の他の映画と同様に、観る人を選ぶ。
・悪い点が見当たらないところ。