読書感想ブログ

感想文をバシバシガシガシ書きます。

【映画感想文】【邦画】 深作欣二/バトル・ロワイアル

 映画の感想というより、原作を思い出しながら感想を書いている。

 この映画の原作が出版されたのは、僕が中学二年生の頃で、クリスマスのプレゼントか……うーん、忘れたけれど、買って貰った記憶がある。辞典かよ! というぐらい分厚い作品だったが、徹夜して二日で読み終わったことだけはちゃんと覚えている。その後、ヤング・チャンピオンで、エロ気持ちの悪い絵で漫画化され、それも集めていた。

 それで、中学三年生か高校一年生の時に映画を観たんだけれど、同世代が殺し合いをするという設定だけにときめいていた。しかし、今観終えると、その当時は思えなかった感想をいくつか抱いた。

 まず第一。人間の脆さをよく描けている。特に灯台のシーンなんて、素晴らしい出来栄えだよね。キタノだって結局はそういう話なんだし、人間って脆いなあ、と思った。と同時に、中学生を描けている。当たり前のことなのかもしれないけれど、自分と極端に違う年齢層のキャラクターを丁寧にきちんと描けることって、結構凄いことだと思うんだよね。こちらから一方的に俯瞰で観たそれを書くと、現実のそれと大きく違ってしまうことがある。こちらからすれば当たり前のことが対象にはなかったり、その逆も然り。
 よく練られている。

 それでまあ、映画の感想なんだけれど、マイナス・ポイントが二つしかない。一つは、原作の長さ、濃密さに比べると、やっぱり二時間というのは尺が短い。桐山和雄はもっとしつこいし、相馬光子の色仕掛けシーンが欲しかったし、杉村弘樹の肉弾戦なんて映像化すれば格好よくなっただろうし、全体的にも、さくさくっと人が死にすぎ。
 もう一つは、会話文をわざわざ文字にして起こすのはちょっと寒い。

 でもそれだけ。そしてそれは、星を下げるほどのマイナス要素ではない。素晴らしく完成度の高い作品。鑑賞する年齢で、抱く感想も変わってくる。親になった時にまた観てみたいね。


みやむーの太もも! 度】                            ★★★★★
【再生したら一気に最後まで行っちゃった度】                    ★★★★★
【内海幸枝役の子、可愛いのに引退しちゃったんだ、寂しいな度】           ★★★★★
前田亜季ってこういう役に合うのね。今までなんだコイツと思ってたんで反省した度】 ★★★★★

【総合】                               文句なし! ★★★★★