石田衣良/憎悪のパレード 池袋ウエストゲートパークXI 感想。
今回も相変わらずの面白さ。
1からずっと続いている事なんだけど、主人公であるマコトが書いたコラムが小説になっているというところ。
だからちょっと臭かったり文章が下手糞でも、工業高校卒業の半ニートであるマコトが
書いたというので、納得させている。
あと、脇役の出し方。必要な時に必要な脇役が必要な動きをしてくれる。
マコトは殆ど何もしない。いや、何もしないわけではないけれど、主人公であるマコトが
スポットライトを浴びていない。そういうのって、賢くないと書けないよな、と思う。
これらのスタイルが一切ブレないというのが凄い。
危険ドラッグ、ギャンブル依存症、ノマドワーカー、ヘイトスピーチ。
其れなりに時代を描写している。
「アジア人は一つにならないと諸外国に負ける」とか、「帰化しても中国人は中国人なんだね」という石平センセの思想が混入されているきらいもある。
ネトウヨを叩いて、別に僕は右翼思想でもネトウヨでも無いんだけど、
どっちの言い分も分かる物に対して片方の言い分をさも当然の様に出している。
窪塚洋介が井筒のカスに主演映画を右翼だと叩かれ、「右翼も左翼も関係ない、鳥は両方の翼が無いと飛べない」と言っていたが、
僕はそういう考えなので、別に中国人と仲良くしようが敵対しようが勝手にやってくれっていう感じもある。
それでも、やっぱり読んで面白いというのは、エンタメの基本であり根本であるのかなぁ、と思った。
当然次も読む。