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読書感想文

【読書感想文】 内田樹・高橋源一郎/沈む日本を愛せますか? 【2014年刊行】

渋谷陽一氏が編集長を勤める個人誌SIGHTで連載された対談をまとめたもの。 一応、政治に関して素人の内田樹・高橋源一郎両氏が好きに対談するというスタイルだが、僕みたいな政治に無知な人間からすると、とても勉強になった一冊だった。 注釈も丁寧に当てら…

【読書感想文】 村上春樹/中国行きのスロウ・ボート 【1986年刊行】

僕が生まれた年にリリースされた、村上春樹氏にとって最初の短編集。 ひとつひとつ感想文を書こうと思ったが、別にいいんじゃないかって。読んでいるあいだ、村上春樹の文章にずっと浸っていられた。 山も落ちもないのに楽しく読めちゃうんだよな。いつもの…

【読書感想文】 村上春樹/走ることについて語るときに僕の語ること 【2010年刊行】

タイトルのそのまま、村上春樹氏が走ることについて語ったもの。2005年から2006年にかけて、なぜ走るか、どんな練習をしたか、どんな大会に出たか、そしてどう思ったかについて書かれている。 年齢を重ねるにつれ、以前は難なくクリアできていたタイムをオー…

【読書感想文】 高橋弘希/スイミングスクール 【2017年刊行】

指の骨に続き、高橋弘希氏の小説を読んだのはこれで二作目。外れないな、という印象。しかし文芸誌で読んだ時は、ですます調が受け付けなくて読むのをやめた記憶が。 物語の核心に近づくと逸らせて別の角度からの物語が始まり、帯に書いてある、「私と母の間…

【読書感想文】 元少年A/絶歌 【2015年刊行】

神戸連続児童殺傷事件、通称酒鬼薔薇聖斗事件を起こした元少年Aの手記。僕は兵庫県出身で、この事件が起きた時は十歳前後だった。事件が起きて犯人が捕まった後も学校も地域もかなりピリピリしていて、集団での登下校の際、父兄ががっちりとついていたことを…

【読書感想文】 文村上春樹・絵安西水丸/村上朝日堂超短篇小説 夜のくもざる 【1998年刊行】

シュールな内容の掌編が三十六編収録した掌編集。意味とか考えちゃ駄目で、感じるままに読むのがいいでしょうな。だって本当に意味不明なんだもの。小説も、絵も。 例えば……と挙げるとネタバレになってしまうし、村上春樹氏も言っているように、ライトな物語…

【読書感想文】 歌野晶午/葉桜の季節に君を想うということ 【2007年刊行】

読みやすい文章で複数の話を混ぜながら進めるため、先が気になって仕方がなく、二日程度で読み終えてしまった。こういうのが徹夜本というんだな。 まぁ、なんというか、とてもよかった。スリル満点で、これぞミステリだね。

【読書感想文】 村上春樹/カンガルー日和 【1986年刊行】

村上春樹氏の掌編集。どうでもいい話だが、文庫本の刊行年が僕の生まれた歳だった。七十九刷だって。 不思議でおかしくて笑えて切なくて意味がわからなくて……。いつもの村上春樹節が詰まりに詰まった掌編が十七編。プラス短編が一編。 深く考えちゃいけない…

【読書感想文】 高橋源一郎/さよならクリストファー・ロビン 【2012年刊行】

連作集。高橋氏は連作が好きだね。筒井康隆氏も創作の極意と掟の中で、連作が合っていると評価していた。 この作品の前年にはかの問題作恋する原発を書いていたわけで。毎度毎度、小説ごとの作風の変化具合に驚かされる。 うーむしかし、どういう感想を書け…

【読書感想文】 高橋源一郎/丘の上のバカ ぼくらの民主主義なんだぜ2 【2016年刊行】

ぼくらの民主主義なんだぜの続編。とはいうものの、朝日新聞の連載は十二本だけで、残りは著者が様々な場所で書いてきた政治評論。こちらがメイン。 こういう内容の本の感想を書くのは難しい。僕は高橋源一郎氏の信者なので、どうしてもほとんどを肯定的に読…

【読書感想文】 野村進・調べる技術・書く技術 【2008年刊行】

四半世紀ノンフィクションに携わっていた氏が、ノンフィクション作家志望者へ向けて書いた技術書。 ここまで書くのか、と驚くぐらい手取り足取り一から十まで書かれている。目次を見るとその内容の濃さがわかってもらえると思うので、引用する。・第一章 テ…

【読書感想文】 高橋源一郎・山田詠美/顰蹙文学カフェ 【2011年刊行】

高橋源一郎氏と山田詠美氏、そしてゲスト一人の三人での対談をまとめたもの。 最初はこのお二人。次は島田雅彦氏、中原昌也氏、車谷長吉氏、古井由吉氏、瀬戸内寂聴先生。 タイトルにもあるように、顰蹙をテーマに対談している。外れが一つもなく、どの対談…

【読書感想文】 中村文則/土の中の子供 【2008年刊行】

二〇〇五年に芥川龍之介賞を受賞した表題作と、短編である蜘蛛の声の二作品が収録された一冊。 芥川龍之介賞受賞が納得できるものであり、中村文則氏の小説として期待を裏切らない作品だった。文庫本自体は薄いが中身はとても濃いものだった。 とは言うもの…

【読書感想文】 高橋源一郎/ぼくらの民主主義なんだぜ 【2015年刊行】

高橋源一郎氏が朝日新聞で月に一度連載している論壇時評の四年分をまとめた一冊。 新書は今までほとんど読んだことがなかったので、読んでどういう感想が出てくるかと期待した。 はっきり言うと僕は高橋源一郎氏の小説や書評、エッセイは大好きだが、政治関…

【読書感想文】 村上春樹/東京奇譚集 【2007年刊行】

【概要】 五編からなる短編集。外れなし。 一つずつ感想を書く。 【偶然の旅人】 【あらすじ】 彼はピアノの調律師をしている。41歳でゲイである。三歳下のボーイフレンドがいるが、別々に暮らしている。 彼は火曜日になると車で神奈川県にあるアウトレット…

【読書感想文】 夜釣十六/楽園 【第32回太宰治賞受賞作】【2017年刊行】

【あらすじ】 「引き継いでもらいたいものがある」 ――会ったこともない「祖父」から届いた一通の葉書。パチンコで稼ぎを食いつぶす警備員の圭太が遺産でももらえるかと出向いた先は、しかし、遠い昔に忘れ去られた廃鉱の窪地だった。コウモリのスープを食べ…

【読書感想文】 伊坂幸太郎/チルドレン 【2007年刊行】

とてもよかった。読者をひたすら楽しませるという、エンターテイメント作品としてよくできている。 伊坂幸太郎氏作品はアヒルと鴨のコインロッカー、仙台ぐらし、ゴールデンスランバー、PKと読んできたが、期待を裏切らない手堅い作り。 かなり面倒臭そうな…

【読書感想文】 漫画 二〇一七年 四月分

出水ぽすか・白井カイウ/約束のネバーランド 一巻 ジャンプらしからぬ内容の漫画……といっても思考、戦略はDEATH NOTEという先駆者があるわけで。 しかしよく練られている。売れているだけあるね。出水ぽすか・白井カイウ/約束のネバーランド 二巻 おおお、…

【読書感想文】 漫画 二〇一七年 三月分

田中芳樹・荒川弘/アルスラーン戦記 六巻 盛り上がりが半端ないな。これから一体どうなるんだろう……!岸本斉史/ナルト 二十二巻 ネジ対鬼童丸。ナルトの行動や発言が、様々な人に影響を与えているんだな。岸本斉史/ナルト 二十三巻 シカマルとキバ&赤丸…

【読書感想文】 村上春樹/TVピープル 【1993年刊行】

外れなしの短編集だった。 表題作のTVピープルは、突然部屋にTVピープルがやってきて部屋に映らないテレビを置いていくというもの。 不思議さ爆発。 飛行機 ――あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったかは、よく泣く人妻との情事を描いたも…

【読書感想文】 中島らも/中島らもの特選明るい悩み相談室 その1・ニッポンの家庭篇

とてもおもしろく、一気に読んだ。 読者の質問はいわばネタ披露の場所であり、日常の中でみつけたシュールな出来事を回答者である中島らも氏に問いかける。本当か嘘かは関係ない。 対して中島らも氏は、そういう質問に真面目に回答したり嘘を織り交ぜて回答…

【読書感想文】 村上春樹/村上さんのところ 【2015年刊行】

ボリュームたっぷりだった。読み終わるのに二、三ヶ月はかかった。 内容は、村上さんのところというサイトを立ち上げ読者からのメールを募集し、村上春樹氏本人が返信したものをまとめた本。 質問の内容も、社会情勢について、作品について、読者の悩み相談…

【読書感想文】 西村賢太/芝公園六角堂跡 【2017年刊行】

四つからなる短編集。ひとつひとつ感想を書こう。 芝公園六角堂跡 表題作。稲垣潤一氏のファンになった経緯、そして今では一緒に食事をしたりライヴに呼ばれるようになったことを述べる。そして今回呼ばれたライヴの場所の近くが、師と仰ぐ藤澤清造氏の終焉…

【読書感想文】【小説】 村上春樹/女のいない男たち

六編からなる短編集。一つ一つ感想文をつけていこうと思う。 しかし、短編のいいところは、一気に物語に入り込んで、一気に終わる、この短い間の没入具合がの気持ちよさだよね。 ドライブ・マイ・カー 設定が面白いね。個性派俳優の家福が、一時的に運転をや…

【読書感想文】【小説】 石田衣良/池袋ウエスト・ゲート・パークⅫ 西一番街ブラックバイト

再始動が嬉しい。一つづつ感想文をつける。 西池第二スクールギャラリー マコトの元に、同級生のサエコがやってくる。サエコは和菓子屋岡久の一人娘で、使われなくなった小学校をギャラリーにしている。そこに置かれていた、小門屋という男の作品を何者かに…

【読書感想文】 西村賢太/東京者がたり

日記シリーズでもう疲れていたので、エッセイなら大丈夫だろうということで読んだ。 結果、とても面白かった。 僕はど田舎出身者なので、東京人が東京の場所場所を語るとこういう感じなのか、と思った。 下北沢がとてもお嫌いなようで。僕もなんとなく好きで…

【読書感想文】 西村賢太/一私小説書きの日常

うーむ、これは、日記。昼起床、入浴、サウナ、執筆、朝方酒、編集者と打ち合わせ、呑み、テレビ出演……。 これがただひたすら繰り返される。しかし、僕は西村賢太氏のファンなので、日常を覗き見するという感覚で楽しんでいる。他の作家の日記もそうだね。フ…

【読書感想文】 中村文則/遮光

面白いだのなんだのと絶賛すると、人間性を疑われてしまいそうになる小説。というかまあ、それは作者である中村文則氏も、あとがきで認めている。 例えば、読書家の友人だったりに、「中村文則の遮光、面白かったよ!」とは言えない。 「これ知ってる?」と…

【漫画感想】 二◯一六年 十月分

荒木飛呂彦/ジョジョリオン 一巻 舞台は四部と同じ、杜王町。が、また別の世界の杜王町。記憶喪失の主人公の過去を探っていると、いきなりバトル! ハラハラさせるバトルだった。荒木飛呂彦/ジョジョリオン ニ巻 東方家に居候することになったので、名前は…

【読書感想文】 西村賢太/随筆集 一私小説書きの独語

これだけ西村賢太の書籍を読んでいると、同じような話を別のところですることがあるから、それはもう知っているよ、ということも多い。 それでも、読ませる文章が素晴らしい。文章のおかしいところがあると指摘されたが、私は国語の教本を書いているわけでは…