読書感想ブログ

感想文をバシバシガシガシ書きます。

短編集感想文

読書感想文 2018年10月分

大橋弘祐/サバイバル・ウェディング 2018/10/10 Prime Readingにて。 とても面白かった。 ファッションの薀蓄を挟みながら、婚約破棄された三十路女が結婚を目標に努力する。 なんといっても主人公の上司である宇佐美のキャラがいい。 一気に読みました。 …

【読書感想文】 東野圭吾/あの頃の誰か 【2011年刊行】

【概要】 東野圭吾氏の短編集第三弾。収録作品はバブル時に書いたもので、単行本未収録。あとがきによると「わけあり物件」。 【内容紹介】 (文庫本裏表紙引用) メッシー、アッシー、ミツグ君、長方形の箱のような携帯電話、クリスマスイブのホテル争奪戦…

【読書感想文】 東野圭吾/怪しい人びと 【1998年刊行】

【概要】 言わずと知れた東野圭吾氏の東野圭吾短編集シリーズ第二弾。【内容紹介】 (文庫本裏表紙引用) 俺は同僚の片岡のデートのために一晩部屋を貸してあげた。その後、そのことを片岡から聞いた2人の同僚、本田と中山にも部屋を貸すことになってしまう…

【読書感想文】 東野圭吾/怪笑小説 【1998年刊行】

【概要】 言わずと知れた東野圭吾氏の短編集で○笑小説シリーズの第一弾。 【内容紹介】 (文庫本裏表紙引用) 年金暮らしの老女が芸能人の“おっかけ”にハマり、乏しい財産を使い果たしていく「おつかけバアさん」、 “タヌキには超能力がある、UFOの正体は文…

【読書感想文】 東野圭吾/犯人のいない殺人の夜 【1994年刊行】

【概要】 (Wikipedia引用) 光文社から刊行された東野圭吾の短編推理小説。 1985年のデビュー期から1988年の間に『小説現代』『小説宝石』等で掲載された東野圭吾初期の7作品が収録された短編集。 1990年7月に単行本として刊行され、1994年に文庫化。 表題…

【読書感想文】 野坂昭如/アメリカひじき・火垂るの墓 【1968年刊行】

【概要】 言わずと知れた野坂昭如氏の第58回直木三十五賞受賞作を収録した短編集。 火垂るの墓、アメリカひじき、焼土層、死児を育てる、ラ・クンパルシータ、プアボーイの六編からなり、火垂るの墓とアメリカひじきが受賞した。 【内容紹介】 (文庫本裏表…

【読書感想文】 村田沙耶香/授乳 【2010年刊行】

【概要】 言わずと知れた芥川龍之介賞作家村田沙耶香氏の、第46回群像新人文学賞優秀賞受賞作品を収録した短編集。 【内容紹介】 (文庫本裏表紙引用) 受験を控えた私の元にやってきた家庭教師の「先生」。授業は週に2回。火曜に数学、金曜に英語。私を苛立…

【読書感想文】 平山夢明/独白するユニバーサル横メルカトル 【2006年】

【概要】 言わずと知れたホラー作家平山夢明氏の短編集で、日本推理作家協会賞受賞作。 【内容紹介】 (光文社ホームページ引用) タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。彼が語る、主人とその息子のおぞましい所行を端正な文体で綴り、日…

【読書感想文】 岩井志麻子/ぼっけえ、きょうてえ 【1999年刊行】

【概要】 言わずと知れた岩井志麻子氏氏の第6回日本ホラー小説大賞作ぼっけえ、きょうてえを収録した短編集。 【あらすじ】 (Wikipedia引用) 岡山の遊郭で客をとる容姿の醜い女郎が、客に自らの身の上話を聞かせるが、それは世にも恐ろしい話であった。岡…

【読書感想文】 江戸川乱歩/明智小五郎事件簿 1 【2016年刊行】

【概要】 言わずと知れた江戸川乱歩氏の明智小五郎の事件だけを抜き出して、時系列にまとめたもの。 【感想】 恥ずかしながらこの歳になるまで江戸川乱歩氏の小説は未読でした。D坂の殺人事件を読み勧めると、あまりの面白さと文章の読みやすさで読むのが止…

【読書感想文】 田中慎弥/切れた鎖 【2010年刊行】

【概要】 共喰いで第146回(平成23年/2011年下半期)芥川賞を受賞した、言わずと知れた作家の二つ目の作品集。これ自体も第21回三島由紀夫賞を受賞しており、収録作である蛹では第34回川端康成文学賞を受賞している。 【感想】 噂には聞いておりましたが、な…

【読書感想文】 片岡義男/と、彼女は言った 【2016年刊行】【読了断念】

【概要】 御年七十八の片岡義男氏の群像での連載をまとめた短編集。 【感想】 初めて片岡義男氏の本を手にとってみました。なんだか70年代に若者から絶大な支持を得たとかで、とても期待していました。しかしその期待は見事にブチ壊されてしまったのです。 …

【読書感想文】 池波正太郎/剣客商売三 陽炎の男 【2002年刊行】

時代小説、第三集。再読だが内容は完璧に忘れているので、新鮮な気持ちで読んだ。 解説にもあるが、大治郎の成長と三冬との関係性が見ていて微笑ましくてよい。 というよりもう、どの編も文章がよくてまとまりもよくてわくわくさせてくれて、けちのつけどこ…

【読書感想文】 池波正太郎/剣客商売二 辻斬り 【2002年刊行】

本当にもう文章が読みやすい。読みやすくて仕方がない。やっぱりあれだね、余計なものはカット、カット、カット・メンシックだね。 そもそもがそうなんだよ。文章を楽しむのではなく、物語やキャラクターを楽しむものなんだから、読みやすさが爆発すればいい…

【読書感想文】 西村賢太/夜更けの川に落葉は流れて 【2018年刊行】

三作からなる短編集。まったくもう、期待を裏切らない面白さだこと。 寿司乞食(小説新潮二〇十六年一月号掲載)【概要】 日雇い労働へ行く、一日分の給料をその日に使い果たす、次の日また日雇い労働へ行く―― 北町貫多二十二歳、そんな無計画な生活を立て直…

【読書感想文】 佐伯一麦/ショート・サーキット 【2005年刊行】

【概要】 私小説家佐伯一麦氏の初期作品集。 年代別に並べると、木を接ぐが海燕1984年11月号掲載、端午が海燕1988年2月号掲載、ショート・サーキットが海燕1990年4月号掲載、古河が海燕1991年9月号掲載、木の一族が新潮1994年1月号掲載。 著者から読者へにあ…

【読書感想文】 村田沙耶香/殺人出産 【2016年刊行】

コンビニ人間でがっつりとやられてしまったので、積んでいた本作をすぐに崩した。 「アホやなぁ」の一言に尽きる。当然褒め言葉。設定も登場人物もぶっ飛んでいるSFなので、なんだか筒井康隆氏の短編集を読んでいるような気がした。殺人出産 表題作なんです…

【読書感想文】 よしもとばなな/キッチン 【2002年刊行】

言わずと知れた、よしもとばななのデビュー作にしてベスト・セラー小説。よしもとばななの小説は以前読んだアムリタが個人的にかなり好きだったので、デビュー作で評価がとてつもなく高いキッチンを読むのが楽しみだった。 そして、読んだ感想。 ……うぅむ………

【読書感想文】 村上春樹/中国行きのスロウ・ボート 【1986年刊行】

僕が生まれた年にリリースされた、村上春樹氏にとって最初の短編集。 ひとつひとつ感想文を書こうと思ったが、別にいいんじゃないかって。読んでいるあいだ、村上春樹の文章にずっと浸っていられた。 山も落ちもないのに楽しく読めちゃうんだよな。いつもの…

【読書感想文】 中村文則/土の中の子供 【2008年刊行】

二〇〇五年に芥川龍之介賞を受賞した表題作と、短編である蜘蛛の声の二作品が収録された一冊。 芥川龍之介賞受賞が納得できるものであり、中村文則氏の小説として期待を裏切らない作品だった。文庫本自体は薄いが中身はとても濃いものだった。 とは言うもの…

【読書感想文】 村上春樹/東京奇譚集 【2007年刊行】

【概要】 五編からなる短編集。外れなし。 一つずつ感想を書く。 【偶然の旅人】 【あらすじ】 彼はピアノの調律師をしている。41歳でゲイである。三歳下のボーイフレンドがいるが、別々に暮らしている。 彼は火曜日になると車で神奈川県にあるアウトレット…

【読書感想文】 村上春樹/TVピープル 【1993年刊行】

外れなしの短編集だった。 表題作のTVピープルは、突然部屋にTVピープルがやってきて部屋に映らないテレビを置いていくというもの。 不思議さ爆発。 飛行機 ――あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったかは、よく泣く人妻との情事を描いたも…

【読書感想文】 西村賢太/芝公園六角堂跡 【2017年刊行】

四つからなる短編集。ひとつひとつ感想を書こう。 芝公園六角堂跡 表題作。稲垣潤一氏のファンになった経緯、そして今では一緒に食事をしたりライヴに呼ばれるようになったことを述べる。そして今回呼ばれたライヴの場所の近くが、師と仰ぐ藤澤清造氏の終焉…